ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでひと際注目を浴びたのが、フィギュア女子フリーで逆転金メダルに輝いたアリサ・リュウ(Alysa Liu)選手。一度は若くしてリンクを去りながらも、再び氷上へと戻ってきた彼女の物語は、多くのアスリートやファンに勇気を与えています。彼女のこれまでの活躍をまとめました。
アリサ・リュウとは? 記録を塗り替えた「全米の至宝」
アリサ・リュウ選手は、アメリカ出身のフィギュアスケーターです。彼女は10代前半の頃にアメリカ全土を震撼させる快挙を成し遂げています。
全米選手権史上最年少優勝 2019年、わずか13歳で全米女王に輝きました。これは、あのタラ・リピンスキーの記録を塗り替える快挙でした。
高難度ジャンプの先駆者 女子選手として史上初めて、ひとつのプログラムの中でトリプルアクセル(3回転半)と4回転ルッツの両方を成功させました。
数々の史上最年少記録を塗り替え、天才少女と呼ばれたアリサ選手は、16歳にして北京冬季五輪に出場することになります。
世界から称賛された北京五輪の雄姿
多くの期待を背負って出場した2022年北京冬季オリンピック。アリサ選手にとって、この大会は単なる順位以上の意味を持つ大会となりました。
実はアリサの父・アーサー氏は中国からの政治亡命者であり、一家は中国当局による嫌がらせやスパイ工作の標的になっていました。アーサー氏はアリサに護衛をつけましたが、スケートへの影響を懸念して、そのことは話しませんでした。
当時、女子フィギュア界はロシア勢による高難度ジャンプの応酬という非常に過酷な時代。その中で彼女は、自分自身のスケートを貫き通しました。
| 項目 | 内容・結果 |
| ショートプログラム (SP) | 7位(自己ベストに近い会心の演技) |
| フリースケーティング (FS) | 6位(情感豊かな滑りで観客を魅了) |
| 最終順位 | 総合6位入賞 |
北京オリンピックでは、メダル争いのプレッシャーの中でも「スケートが楽しくて仕方ない!」というオーラを全身から放っていました。演技後に見せたあの満面の笑みは、世界中のファンの心に「記憶の金メダル」を刻み込んだ瞬間でした。
突然の引退、そして劇的な「現役復帰」
北京オリンピックの直後、2022年世界選手権で銅メダルを獲得したアリサ選手は、弱冠16歳で現役引退を発表します。「スケート以外の人生も経験したい」という、彼女らしい前向きな決断でした。
普通の大学生として過ごし、旅を楽しみ、スケート靴を脱いだひとりの人間としての時間を満喫した2年間。
しかし、氷の上で表現することへの情熱は消えていませんでした。2024年、アリサ選手は現役復帰を宣言。「一度離れたからこそ、自分がどれだけスケートを愛しているか気づいた」と語る彼女は、かつての「記録を追う少女」から、より深い表現力を持つ「一人の表現者」へと進化を遂げています。
ミラノ五輪のブレード・エンジェル(氷上の天使)
2025年、アリサ選手は世界選手権で自己ベストを更新しての優勝。
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、ショートプログラム (SP)3位から、フリースケーティング (FS)で逆転して金メダルを獲ったのはご存じの通りです。
ミラノの氷上で彼女が証明したのは、「一度立ち止まっても、人生は何度でも輝き直せる」ということ。「自分のために表現する」という強さを手に入れた人の笑顔は、これほどまでに輝くのだと彼女は教えてくれます。リンクを明るく照らす「アリサ・スマイル」から、今後も目が離せません!

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